きっとそれは
焦がし続ける。
いつまでも
チリチリと
風鈴
夏休みの午後2時。
世界で一番暑い時間。
語尾に猫語なんてつけてる余裕が無いほど。
はやく家に帰って
麦茶をあおりたい・・・・
チリン チリン
プール帰りの小学生が
真っ黒になって坂道を駆けていく
途中にある家からこぼれてくる音色
「・・・・・・」
垂れる汗を
感じながら
「・・・たらいまー」
「お帰りー。あらちょっ 汗だくじゃない英二。
さっさとシャワー浴びてらっしゃい。」
「あーい。」
気持ちいい。
熱いお湯で体を流して
タイルの壁にうかぶ自分を見つめる。
「・・・・・・」
「あーいい湯だったー。」
「英二タオル、タオル」
「さーて風呂上りの一杯っ」
「・・・・・」
「にゃ!?おいそこのお母さん。冷やしといてくれにゃかったの!?」
「・・・あんたおとーさんにそっくりねぇ。」
「(ちょっとショック!)じゃなくて麦茶はぁー?」
「あぁ。さっき終わっちゃって、今冷やし中よ。」
確かに
流しの中に水と氷で冷やされている やかんが落ち着いている。
「・ ・ ・ ・ ・」
「そ、そんな顔しないでよ英二。
あ、下にアイス入ってるわよ。」
「アイス!!?」
ガラッ
べりべりっ
ごそっ
バタン
タッタッタッ・・・・
「・・・・・・」
「あ゙―――――――――」
縁側まで扇風機を引っ張ってきて
足の間に挟みこんで独り占め。
飽きて扇風機のスイッチを消した。
夏のかすかな風を感じながら
庭の塀からのぞくジリジリと熱されたアスファルトを見つめる。
近所の子ども達がこげながらキラメキながら
通り過ぎていく。
ジリジリとこげる坂道で
お風呂上りに縁側で
冷たいアイスを食べているとき
皆で騒がしくしている時のふと間のあいた時間
兄ちゃんがホームラン打って野球のボールが見つからないとき
夕飯までのもてあました時間
家族で夜ゴハンを食べに行った帰りの車の中
くすぶるように
胸を焦がすチリチリという音を聞いたとき
あぁ
こんなときはいつも
君に会いたくなるんだ。
胸が
焦がされて しぼられて
どうしようもなくなる。
今すぐその塀をくぐって彼がやってこないかなぁ とか
乾とかのくだらない差し金で
やってこないかなぁ とか
TV番組のコクハク企画とかで
いきなりやって来たりしないかなぁ
なんて
意味の無い ありえないことをぼんやり描き
彼が現れた瞬間の驚きのリアクションを想定したりしながら
しょうがないから
今日 部活で汗を流していた君の姿を
繰り返し繰り返し
思い出したりしているんだ。
そのうち
母さんが水をまいたりして
やがて熱い太陽が沈んで
縁側にいるのも涼しくなってきた頃
たとえば
何年かたって
心の中にいるのが彼と違う人だとしても
俺はきっと思い出す。
風鈴の音を聞いて
どうしようもなく彼を想ったことを
思い出す。
チリン
チリ
おまけ
モドル
051008
ぎゃーっ!まだ暑いやん ね!?
でも寝るときキャミとか半袖だと体冷えるから注意してね。
(ちーさい秋 見ーつけた!)
御題お借りしたえれな様に申し訳ない・・はわわ
ひがしの こうじ?